zawazawa雑記

修士2年の振り返り

もともと文章を書くのが苦手だったから、モノを書く習慣をつけようとして始めた技術ブログだったけど気づいたら1年も更新してなかった。。。どうしても面倒になってしまうのでちゃんとこれから開発のメモとか詰まったところとかを小まめに残すようにしする。

さて長かった学生生活も終わり、明日から(3/31現在)社会人になる節目だったのでこの1年をまとめようと思います。 ちなみに修士1年の振り返りはこれ↓

zawazawahtn.hatenablog.com

修士2年で頑張ったこと

M2で頑張れたことはそんなに多くないです。M1の頃に比べたらそこまで開発者イベントにも行かなかったし、できたこともそんな多くないです。けど未踏に採択されたことで密度は高かったんじゃないかな、という気はしてます。

未踏

自分の未踏プロジェクト(歩きVRの開発)に関しては公式HPから概要を覗いてみてください。

さいしょの時期

全てはこの実装をM1の2月の研究会で発表したところから始まりました。

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今思えばだいぶ雑な実装ですが、とりあえず動くものができて、ちょうど未踏ってやつの応募があるから頑張って書類書いて出すかーという軽い気持ちで出しました。応募を考えている方も(2020年度は終わってしまったけど)ぜひ軽い気持ちで書類を書いて、人に見せてフィードバックもらって、応募するといいと思います。

自分の場合、当時は対して技術力もなくてちょっと面白いアイデアを実際に動くものとして見せることができたから運よく通った、と思っています。悪く言えば「アイデアだけ」の提案だったかもしれません。そう思いながら二次プレゼンをして、名のある方達が時間を割いて自分のプレゼンを聞いてくれるだけでありがたい、という意識で持って行ったら稲見PMに拾っていただけた、という感じです。

幸い自分の大学の指導教員はこれをとても喜んでくださり応援もしてくれたので、研究室でのいざこざとか揉め事とかは一切ありませんでした。未踏をやり遂げる上で、向き不向きの研究室(というか先生の考え方)があるとは思いますが、もともと研究とか自由にやらせてくれるとこだったのでここは特に心配してませんでした。

未踏の特徴の一つとも言えるのが、たくさんもらえる資金!

自分は採択が決定した時点で貯金を使ってだいぶ大きな買い物をして機材などを揃えたりしました。

画像のQuestはプロジェクトには直接関係ないですが、経費で購入しました。他にもハイスペPC(Alienware m15)とかRift Sとか、後にはバックパックPCも買いました。経費と書いたのは、未踏を機に個人事業主を開業していたからですが、未踏のおかげでだいぶ節税とかの意識が高まりました。

何はともあれ、9月ごろまでぐわーーっと開発をして、いろんな知識を身につけつつ、自分のプロジェクトの土台を作ることに注力しました。

中だるみしてきた秋ごろ

10月ごろから次第に失速し始めます。手を動かしたいのに、優先順位がつけられない。なぜかというと、工数が読めないから。なぜ工数が読めないのかというと、エンジニア力が足りないのもあるし、「何かを思いつかなければブレイクスルーしない」と感じていたからです。

未踏で何が苦痛かと言われたら、自分の場合は、「実装したいけど何を実装していいか分からない状況が続いた」ことですね。

終盤

ラスト1週間に怒涛の実装を行い、コンセプトムービーを作りました。研究室の後輩に撮影と編集を手伝ってもらい、とてもいいものになったと思うのでぜひ見てみてください。開発したシステムを日常的に利用するようになったらどんな風に日々の生活が変わるのだろう?という視点で作りました。

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未踏やってみて思ったこと

  • 未踏のコンセプトと自分のやりたいことのズレ

もともとの未踏のコンセプトとして、プロジェクトを大なり小なりの社会へ還元・実装する、というものがあり、その点が研究とは大きく異なると感じます。他のプロジェクトは今にもサービス化できそうなものや起業に向けて2~3年先を見据えたものが多くありました。その点自分のプロジェクトはもともと直近(2~3年スパン)でのサービス化など眼中になく、起業の予定も(今の所)ありませんし、どちらかと言えばそれをスキップした先の、社会に浸透したら未来はどういう形になるかという部分を描きたくて、そちらに注力しました。

  • 人が面白い

同期のクリエイターには本当に面白い人がたくさんいます。もちろん面白いプロジェクトも。違う分野の話は最初はさっぱり分からなかったけど、何回も発表を聞いてアップデートそしていく様子を見て、そのプロジェクトのスコープとか特徴とかなんとなく掴めてきました。OBOGも幅広い分野で活躍されている方が多く、合宿とかでお話しできる機会も多くて素晴らしいと思います。

が、なんというか、「サークルを卒業しない人がひたすら増えていく」団体だなと感じました(伝われ)。内輪ネタ・ノリが多いという指摘もありましたが、言語化しづらい何かしらの距離を感じていました。あれは何だったのだろうか、自分がプロジェクトに対してサービス化や事業化といった目的を持たせていたら、人脈を作るという観点で積極的に輪に入れたのだろうか、それとも単に自分の性格が悪いだけなのか、みっともなく斜に構えていたのか... 何れにせよ「人」自体はとても面白いし、同期クリエイターも好きなのでこの話は以上です。

まとめ

人生というスパンで見た時に確実にいい経験になりました。開発成果がいいものになったかはまだわかりませんが、ボチボチと開発を続けていくので更に良いものにしていきたいです。運営の方、議論してくださった方、それぞれの事情を語り合った同期クリエイター(特に稲見PMチルドレン)、本当にありがとうございました。

以上未踏のおはなしでした。

研究

この1年は周りの人たちと比べると研究的なことはできませんでした。というか、未踏に採択された時点でこのことは覚悟していて、自分の修士論文もシステムの実装よりのものになるだろうなーということは予測していました。 9月のVR学会で発表したり、研究会で発表したりしましたが、周りの未踏勢にはバンバントップカンファに通したり継続的に学会発表をする人もいて、素直に尊敬しました。

その他

制作活動

5月に研究室の同期と簡単な塗り絵アプリを作って、児童館に持っていき子供たちに遊んでもらいました。

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クオリティのわりに子供たちは喜んでくれていて、作ったものを目の前で生き生きと使ってくれるユーザがいる体験というのはとてもいいものでした。あとこの時初めて自分の作ったものに対して報酬というものいただいたのも感慨深いです。

7月の東大制作展に歩きVRシステムを使った作品を出しました。えいやで申し込んで以前一緒に作品制作していた友達にもお願いして出させていただきました。色彩設計や世界観の醸造は良いものになった一方で、どうやって歩いてもらう?何を伝えたくてその手段は?という体験設計の部分で苦しみました。

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就職活動

これは主にM1のころの話です。あまり参考にならないかもしれませんが、ざっくりと自分の就活について書きます。自分がいわゆるxR分野を扱うエンジニアになろうと決めたのはM1の冬くらいでした。その理由もまぁ話せばいろいろあるんですけど、とりあえず就活するにあたって会社をいろいろ見ていくわけですがこのフィルターというか制約が厳しくて候補となる会社を絞るには苦労しませんでした。

その中でもM1のころに顔を出したイベントで知り合ったDMMの方が「うちの会社にVR研究室というのができた」ということを聞き、第一志望になりました。面接していただき、内定をいただき、「承諾前に一度インターンをしたい」というわがままも聞いていただけました。本当によくしてもらったと思います。 他の企業の方の話も聞いた上で、結果的にM2の夏ごろに内定承諾をしました。いくつか決め手があります。

社内のVR関連技術のポジション

ほとんどの会社はVRやARの事業をやろうとすると、その先端性や初期費用の高さといった性質から、まずはその立ち上げ、予算繰り、社内認知度向上などに取り組まなければいけないと思っています。もちろん、「うちらはxR好きが集まってできたからxRに注力するのは当たり前だ」という会社もあります。 その点DMMという会社は、すでにVR事業でうまいことやっている→社でのxR技術の認知度が他の同規模の会社より格段に高い→すでに本腰入れて開発に集中できる土台ができている、ように思えます。その上CTOの松本さんが大好きな技術分野だという点もものすごいバフですよね。

サービス・事業の多さ

DMMには様々な(といって濁しますが自分の知らないものがたくさんあります。きっと。)サービスや事業があります。自分はxR技術とAIと呼ばれる技術の使い方は似ていると思っています。どちらも分野横断で使えて、どのような事業にもその技術との親和性を考慮した上で濃く薄く浸透していくべきだと考えています。自分の将来の目標としては、現実とバーチャルの融合度を自由に変えて行き来できるような未来を作ることです。それを実現するためにも、いろんな仕事の現場を近くで見られるのはとてもいい職場になるのではないかと思っています。

新M1に向けて

これから大学院に入っていろんなことをやろうとしている皆さんに向けてオススメの過ごし方やいい感じに過ごすコツを教えます。

  • バイト・インターンやるなら開発系のものをやる

    修士は2年間しかない。本来なら(飲食店、個別指導塾とかのいわゆる)アルバイトをしている時間はない。貴重な時間を割くなら、研究や就活に役立ちそうな開発系の仕事をするべきだと思います。理系学生なら。研究室の先輩も同じことを言ってました。

  • 安定した食事・睡眠をとる

    三食の飯と毎晩の睡眠を大事にしましょう。これを守れたら心身ともに健やかに安らかに日々を過ごせます。それでもダメになりそうになったら、上の話ですがお金を稼ぐといいです。ツイッターで「落ち込んでる学生は何かしらでお金を稼ぐと気分が戻る」というものを見かけました。自分もそう思います。

  • いろんな展示会・イベントに行く

    研究のいいアイデアだったり、面白いモノを作るきっかけになったりします。要するにインプットの幅を広げるという意味ですが、自分でも積極的にモノを作って人に見てもらう機会を作れるとさらにいい経験になると思います。

これから何やるの?

上にも書きましたが、これからDMM.comに入社します。リアルとバーチャルをより密に、近いものにするようなVRエンジニアになりたいと思っています。DMMVR研究室からはさまざまなプレスとかプロダクトとか出てて、外からみて今めっちゃ勢いあるように見えてすごく楽しみです!

www.moguravr.com

bowman.vrlab.dmm.com

書き散らかしましたが、以上。